看護師として老人ホームや療養病棟で働くと、仕事内容や生活はどうなる?という疑問に答えるため、実際に働いた経験からお話しします。「ゆったりと患者を看ることができる」と思って希望する人は、まず読んでから考えてほしい!老人ホームや療養病棟など、老人介護の仕事に興味のある人は、ぜひご覧ください!
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老人ホームや老人病棟はどのような職場なのか

老人ホームや老人病棟は、施設の特性や事業主によって勤務体制や仕事の詳細が変わることが多いです。
ここでの説明は、大体の目安として読んでいただければと思います。
勤務体制
勤務は、基本2交代制になります。
しかし、職場によっては早番や遅番もある場合があります。
老人ホームや療養病棟には急性期の患者がいないことから、医療処置がほとんど要らないため、看護師は他の部署よりも少なく、介護士の方が看護師よりも多いです。
小規模の老人ホームの場合、看護師が2人で交代で勤務しているということもあります。
給料

基本的に時間外勤務が少ない職場のため、時間外手当が発生しない事や、元の基本給が低い所が多いため、外科や内科などの一般病棟よりも、給料は低くなりがちです。
しかし、「時間外勤務がほとんど無い」、「急性期の患者の看護ではないため、落ち着いて働くことができる」という精神的なメリットを優先したい人は、悪くないのでは?
どのような患者さんがいる?

持病は持っていても症状の落ち着いている老人や、認知症がある老人が多いです。
ホームに入居されている人達は、「自宅での介護が困難」「一人暮らしの人で、元の生活に戻ることが難しい」などの理由で入居をされています。
業務内容

看護師の大半の仕事は「患者の健康状態の観察」と「生活介護」になります。
そのため、生活介護が主な仕事になり、インスリン注射などの医療行為は看護師が行う、という感じです。
しかし、入居者が急変した際には看護師が指示や処置をしなければならず、老人施設は看護師の人数が少ないため、状況によっては1人で判断をしなければならない時があります。
老人ホームや療養病棟に勤めるメリットは?
老人ホームや療養病棟に勤めて良かった点は、次のような部分になります。
老人介護に対応できるようになる

老化の状態はそれぞれ違うため、色々な老人の介護に対応できるようになっていきます。
また、お話しをすることが好きな入居者の話し相手をすることが多くなるので、自然と老人とのコミュニケーション能力が上がりやすくなることでしょう。
終業時間に帰ることができる
症状が落ち着いた人が多く、患者の入れ替わりが少ない部署のため、終業時間に退勤できることが多いです。
そのため、できるだけ時間外勤務を行いたくない人に向いていると思います。
落ち着いて仕事ができる

仕事内容がルーチン化しているため、日によって仕事内容が大きく変わることが少ない職場になります。
仕事量が多い上に急変や入院などが多い一般病棟と比べると、落ち着いて仕事がしやすいです。
家庭と両立がしやすい
終業時間なれば帰れることが多いので、家庭との両立がしやすくなります。
(ただし、急変時に看護師が1人しかいないことがあるので、時には時間外勤務になることがあります。)
老人ホームや療養病棟に勤めるデメリットは?
老人ホームや療養病棟に勤めて厳しかった点は、次のような部分になります。
亡くなる事や弱っていくことが辛い

高齢者が多い職場のため、前日は元気だったとしても、次の日に急に亡くなってしまうことがあります。
また、長期間滞在をしている人は、徐々に日常生活動作が低下していくことや、認知症が悪化していく経過を看ていくことになります。
仕事だと割り切れればいいのですが、気持ちを引きずりやすい人には辛いです。
老人と話すことが苦手
老人の患者と会話をしていると、「同じ内容の話を繰り返し話す」、「認知症のために話がかみ合わない」、「長話をする」ということがあります。
このような会話は日常的にあるので、苦手な人には厳しいです。
体力が必要

仕事のほとんどは排せつや入浴、車椅子からの移動介助などの介護の仕事が大半になります。
そのため、一般病棟よりも肉体労働が多く、特に腰痛持ちになる人が多いです。
経験年数が少ない人には不向き

看護師が少ない職場のため、色々な病状を自分で判断しなければいけない状況があります。
特に夜勤は看護師が1人しかいないことがあるため、急変などの時は看護師である自分がメインで判断し、対応しなければなりません。
経験年数が低い人や一般病棟で働いた経験が無い人では対応ができないため、一般病棟で働いた経験がある人に向いている職場です。
医療処置などの看護技術が身につかない
医療処置がほとんど必要としない職場のため、看護技術を身につける機会がほとんどありません。
実際、私が療養病棟に勤めていた時は、たまにある採血と軟膏塗りしかありませんでした。
医療技術は、若い時にできるだけ早く身につけておきたいため、新卒には不向きな職場です。
また、医療的な新しい治療法や技術に触れることが少ない職場のため、新しい事を常に学びたい人にも厳しいでしょう。
休みづらい

急に休みが必要な時は、他の看護師に交代をお願いすることになるのですが、看護師が少ないことから頼みづらいことがあります。
例えば、2人しか在籍していない小規模の老人ホームでは、自分が休むときに頼めるのは1人だけということに。
同僚の看護師が優しい人であればいいのですが……。
老人ホームや療養病棟に向いている看護師は?
次のような看護師は、老人ホームや療養病棟の勤務に向いていると思います。
- 老人看護を経験したい人
- 一般病棟で働いた経験がある人
- 体力がある人
- ある程度ルーチン化した仕事がしたい人
- コミュニケーション能力がある人
- 終業時間に帰りたい人
まとめ
老人ホームや療養病棟は看護師の人数が少ないため、一般病棟で働いた経験がある人が適しています。また、患者の移動や入浴介助が多いため、体力がある人に向いています。仕事がある程度ルーチン化しやすいため、終業時間なれば帰れることが多い職場ですが、最新の技術に触れる機会が少ないため、常に新しい事を学びたい人には不向きな職場です。
老人ホームや療養病棟は場所によって体制などに違いがあるため、面接を受ける際は、勤務体制や仕事の詳細など、気になる部分があれば確認するようにしましょう。
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