産後の食事はどのような点に気をつけたらよいのか、食事のポイントや必要な栄養素、控えるべき食品などをまとめました。産後に食べやすい食品の紹介もあるので、産後や授乳期の食事に悩んでいる人は、ぜひご覧ください。
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産後の体は約6~8週間かけて妊娠前の体に戻っていきます。
この時期は産褥期(さんじょくき)といい、無理をせずに体を休めることが大切です。
また、体の回復や母乳のために、バランスの良い食事をしっかり食べることが必要になります。
食事のポイント
出産後の食事は、次のようなポイントに気をつけましょう。
1日3食・バランスの良い食事を取る

食事は1日3食、しっかりと食べましょう。
手軽に食べることができる炭水化物を多く摂取しがちになりやすいので、タンパク質や野菜などを取り入れ、バランスの良い食事を取ることが大切です。
油や砂糖、食塩を控える

油分や砂糖を多く含む食品は、血液の流れに悪影響を引き起こす他、乳腺炎の原因になりやすいため控えるようにしましょう。
乳腺炎になると母乳をあげることが困難になり、しかもかなり痛いので気をつけたい!
また、塩分の取りすぎはむくみや高血圧の原因になるため、食塩を多く使った食品を取りすぎないように注意してください。
水分をしっかりとる

母乳は約88%が水分でできているため、水分不足になると血液の流れが悪くなることから、母乳の質や母乳の出る量に悪影響が出てしまいます。
また、母乳を出す分、母体が水分不足になりやすいことから脱水になりやすくなるため、水分はしっかりと取りましょう。
摂取カロリーはどれくらい?
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」による、摂取カロリーの目安です。
- 18歳~29歳2,000kcal
- 30歳~49歳2,050kcal
- 授乳中は350kcalをプラスする
※出典 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より
授乳中は350kcalをプラスして取ることが推奨されています。
母乳を出すようになると、母乳の出が良い人は空腹になりやすいため食欲が止まらないことや、逆に育児による睡眠不足や過労で、食欲がなくなることがあります。
そのため、「このくらい食べたら基準量かな?」という目安を、ある程度把握しておくといいでしょう。
ダイエットは控える
出産から約6~8週間にあたる時期は、体を回復させることが優先になります。
そのため、この時期のダイエットは控えましょう。
産後に摂取したい栄養素や食品
産後の体力を回復させるため、次のような栄養素や食品を取り入れるといいでしょう。
鉄分

出産は大量の血液が失われることから、鉄欠乏性貧血になりやすいです。
そのため、鉄分の多い食品を摂るようにしましょう。
(例)あさり、ひじき、ほうれん草、レバー、プルーンなど
葉酸

葉酸は赤血球を作る役割をもつ栄養素です。
産後の貧血予防や子宮回復に必要な栄養素になります。
(例)緑黄色野菜や大豆製品、わかめ、納豆、レバー
タンパク質

たんぱく質は筋力を作るのに必要な栄養素。
産後の筋力回復の他、抜け毛、肌荒れのためにも取りましょう。
(例)肉、魚、卵、乳製品、大豆製品
亜鉛

出産後の体は女性ホルモンの影響で、抜け毛が増えることがあります。
抜け毛は半年から1年くらいで落ち着くとのことです。
(私の場合は、半年くらい続きました。)
髪の成分になるたんぱく質を摂るようにし、髪の発育を促す亜鉛も摂取しましょう。
(例)カキ、あさり、大豆製品
カルシウム

出産後の授乳によりカルシウムが不足しやすくなるので、骨密度の低下につながりやすくなります。
鉄分や葉酸と違い、カルシウムは産褥期に多く取るように言われる栄養素ではありませんが、不足しないように食事に取り入れるようにしましょう。
(例)牛乳、プロセスチーズ、干しエビ、しらす、木綿豆腐、切り干し大根、小松菜
ビタミンC

ビタミンCは疲労回復や鉄分の吸収を促進する作用があり、ストレスを軽減する効果があります。
(例)緑黄色野菜、柑橘類、イチゴ、キャベツ
水分

授乳中は母乳に水分が取られるため、水分不足になりやすくなります。
授乳後にコップ1杯は水分を摂ることや、食事に味噌汁やスープを取り入れるなど、できるだけ水分を摂取するようにしましょう。
1日に2,000ml~2,500mlを目安に、水や白湯、麦茶などのカフェインの入っていない飲み物が適しています。
産後に食べやすい食べ物

産後は和食で言われる一汁三菜が理想的です。
しかし、出産後の回復していない体の上に乳児がいる状態では、難しいかもしれません。
そこで、産後でも取り入れることができそうなメニューや食べ物などを紹介します。
手軽に食べられる食品

片手で食べることができる食品だと、食べたい時にすぐ食べることができて便利です。
炊き込みご飯を作る時に少し具を多めにして作り、おにぎりにしておくと食べやすく栄養が取れやすくなります。
また、パンに合いそうなおかずが残った時は、サンドイッチにしておくのもいいでしょう。
味付けを薄味にする

料理の味付けが濃くなると、塩分や糖分を多く摂取することになります。
疲れていると料理の味が濃くなりがちなので、薄味にするよう気をつけましょう。
洋食より和食

油分を多く摂ってしまうと血液の流れが悪くなるため、味の濃い調味料を使うことが多くなります。
揚げ物が多い洋食よりも、あっさりとした和食が好ましいです。
具沢山の汁物

スープや味噌汁を作る時は、具沢山にするとその分腹持ちのいい食べ物になります。
少し多めに作っておくと、後から温めて食べることができます。
●余った食材をスープに!
産褥期は体力が回復していない上に、赤ちゃんの世話をしなければならない忙しさから、冷蔵庫の中の食材が消化しきれないことが多いです。
そんな時は、残った食材をスープや味噌汁にすると、食材が使い切りやすく便利ですよ!
乳製品

乳製品はカルシウム補給ができ、手軽に食べることができて便利な食品です。
ただし、多く摂りすぎると油分の摂りすぎになるので、食べ過ぎないようにしましょう。
牛乳なら1~2杯が適量。
また、小腹が空いた時などは、プロセスチーズやヨーグルトなどがおすすめです。
控える食べ物
次のような食べ物は、産後や授乳をしている期間は控えましょう。
糖分や脂質、塩分が多い食べ物

糖分や脂質が多い食べ物は血液がドロドロになりやすく、塩分が多い食べ物はむくみなどを起こすため、血液の流れが悪くなります。
過剰な摂取は乳腺炎になりやすくなるので控えましょう。
特にインスタント食品は塩分を多く含まれていることが多いため、注意しましょう。
カフェイン

カフェインを摂取すると、約1%が母乳に出てしまいます。
そのため、カフェインが含まれた母乳を赤ちゃんが飲むと、交感神経が刺激されて寝つきが悪くなってしまうのです。
カフェインの入ったコーヒーや紅茶などは控え、ノンカフェインやカフェインレスの飲み物にしましょう。
ちなみに、私はつい出来心で1cmくらいのブラックコーヒーを飲んだ後に授乳をしたら、赤ちゃんが深夜になっても寝なくて苦労したことがありました……。
ちょっとでも反応するので、気をつけましょうね!
アルコール

アルコールは、母親の血中アルコール濃度と同じ濃さで母乳にアルコールが含まれてしまいます。
アルコールを含んだ母乳を赤ちゃんが飲んでしまうと、体や脳の発育に悪影響が出るので、授乳中は禁酒しましょう。
まとめ
産褥期の時期は体を回復させるため、バランスの良い食事を食べ、塩分や油分、糖質を過剰に取り過ぎないようにしましょう。また、鉄分や葉酸など産後に必要な栄養素を含む食品を食事に取り入れ、水分を多めに摂るようにしていくことが必要です。さらに、産後は炊き込みご飯のおにぎりやサンドイッチ、ヨーグルトなど手軽に食べることができる食べ物を用意しておくと便利です。授乳をしている場合は、カフェインやアルコール、インスタント食品は控えるようにしましょう。
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